中国古典は実学の書。自分たちの実生活に役立ててこそ、その真価を発揮します。 「韓非子」の著者である韓非は、中国の戦国時代末期の韓という国の諸公子です。 宰相として秦の始皇帝の中国統一を補佐した李斯とともに、荀卿(荀子)に師事したとされています。 韓非は生まれつき吃音であり、議論するのが得意ではなかったそうですが、文章を書くことには優れており「韓非子」五十五篇を著した、とされています。 「韓非子」が書かれた時代、著者である韓非の生きた時代は、小さな国は大きな国に飲み込まれ、次第に戦国の七雄ともいわれる、七つの大国が残り、争い合っていました。韓非の所属した国は、そのうちのひとつ、韓という国でした。七国の中では最弱であり、今にも滅びてしまいそうな危機的状況でした。 韓非が目指したものは、富国強兵です。今にも滅びそうな自国を救う方法は富国強兵しかない、と考えました。 韓非の思想は平和な時代の国を治める方法、というよりは、戦乱の中、いかにして生き残っていくか、ということを求めたのです。なので、「韓非子」の内容は過激です。何せ、甘いことを言っていては、すぐに近隣の大国に滅ぼされてしまうのですから。 「韓非子」を読み、その思想に触れ、今のこの厳しい社会を生き抜いていくためのヒントを探り、語り合いましょう。
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